0529 最後の冒険、ディディム、ミレト、プリエネへ

今回のトルコの旅もかなり大詰めになってきた。セルチュクに滞在したのは地中海沿岸のクサントスやペルゲ、アスペンドスと同様、ここエーゲ海沿岸にも紀元前10世紀以降の古代都市がいくつもあるからだ。その中でもこの三都市は必ず見たいと思っていたのだがそれぞれ、20~30キロ以上離れておりしかも交通の便は大変、悪い。期待していたバス会社のツアーもない(昨晩、訊いてみると最大手のバス会社にもかかわらず、法外な値段をふっかけられたりしたのだ)。旅慣れてきたせいか(疲れてもうどうにでもなれとやけくそ気分も含まれて)だめで元々なんとかなるさ、自力で行ってやろうじゃないかと宿を出た。最初のディディムまでバスを3回乗り換えて2時間でスムーズに到着。すでに炎天下36度であった。昼過ぎからはドルムシュという小型バスの運行も極端に減るという情報なので、見終わった後、昼食もとらずに次のミレトをめざす。ここがミレトへの分岐点だとバスから降ろされた場所で聞いてみるとここからミレト遺跡までは5キロ、徒歩しか手段は無いと言われる。どうしようかと躊躇していると側に停まっていた車の中から若いお兄ちゃんが良かったら車で送ってあげるよと声をかけてくれた。あまりの幸運にユダヤの民を率いて紅海をわたるモーゼのような気分になりました(少し大げさかもしれないけど)。
ミレトでは一人で旅している日本の中年女性に声をかけられ、次に私たちがプリエネに行くというと、じゃあ一緒に行きましょう、あなた達が見終わるのを待っているわという。この時も次の目的地プリエネに行くバスはなく、一旦ソケという街に戻り、行き直すしかなかったのだ。我々が戻り、じゃあソケに行くしかないかと話していると今度はドルムシュ(小型バス)の運転手が50リラ(4500円くらい)出してくれればプリエネまで行ってやるけどという。バスの運転手がタクシーに早変わりだ。この適当さはトルコならではである。プリエネまでは25キロほどで3人でその値段ならば安いということで話はまとまり、プリエネまで無事に行き着く事ができた。トルコでは至る所重要な観光地にもかかわらず、肝心のところにわざとのように交通機関がない。まったくひどいなあと思いつつ、結局テキトーで親切なトルコ人に助けてもらうほかないのだ。これが今回私がマスターしたトルコ旅行のコツです。この日は結局水やコーラやビールやアイスのみで昼食がとれず、夜の8時にやっと食事をとることができた。いつもなら夜は涼しくなるのだがこの日は夜も暑く寝苦しい夜であった。

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以下ディディムの遺跡
ここはデルフォイとならぶ神託のメッカという。柱の太さや並べ方が間隔が他とはかなり異なる。遺跡面積は狭いが迫力がある。有名なメドゥーサも含め彫刻のディテールがかなり鮮やかに残る。

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以下ミレト(ミレトス)
ここはギリシア文明圏で(ということは世界で)最初に哲学と自然科学が生まれたといわれるイオニア文化の中心地である。紀元前4世紀に作られた大劇場が中心だがここも広大な場所に様々な街の遺構が点在している。ターレスとかソクラテスとかがこの街を歩いたのか!と思いつつ。

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プリエネの遺跡。復元図。
この都市の街並は都市計画においてグリッド(格子)を用いた最古のものであるという。背後にそびえる山の土砂によって19世紀まで埋もれていたという。

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