朝は少し雨模様だったが8時に家を出て島に向かう。リエカのバスセンターからクルック島へはバスが何便も出ている。目的は島の最南端のバシュカである。陸から島へは大きな橋で渡る。なんだか眠たくてバスに乗ったら催眠術にかかったように寝てしまった。3時間かけてお昼にバシュカ到着。教会は2時半まではお昼休みだから行っても中には入れないとインフォメーションで告げられがっくりしたが、とりあえず歩いて(2.5キロ程)行ってみる。街からかなり距離があるのであてにしていた教会近くのレストランもシーズンオフらしく閉まっていた。やむを得ず、目的の聖ルキア教会のまわりをうろついていると中から女性が出て来て見せてあげましょうと言ってくれる。まず最初に15分程のヴィデオ解説を見た後に教会の内部へ。
クロアチアも、このクルック島もそうだが陸地自体が石灰の巨大な岩盤でできており、山の上部は植物が生えず岩肌が見えごつごつした印象だ。山口県の秋吉台をもっとスケールアップした感じ(中学、高校の勉強不足がたたって地理的ボキャブラリーが貧困なのはお許し下さい)。平野部分の面積が狭く海岸線から直ぐに山が切り立っている。この教会はそのような岩山を背景に10世紀ころに建てられたもので、その素朴な形にはある種の強さを感じる。素朴ではあるが黄金比などの比率はかなり厳密に適用されていて、とても単純だが美しい。(昨年院生の金那姫さんと一緒にやった研究がこんなところに生きている)グラゴール文字の刻まれたタブレットが最初に発見された場所である。
またバシュカの街自体は細い路地が入り組んだ古い街で大変美しい所だ。近隣には「アパート貸します」のような看板が沢山あったので、夏はおそらく長期滞在のバカンスの客でごったがえすのだろうと思う。
帰りは1時間程バスでもどり、島最大の港町クルックで途中下車し遅い昼食をとる。ここも港に続く城壁に囲まれた旧市街は美しい。クルック島はワインの産地でもあるので一応買ってみる。
夜、岡倉天心の「茶の本」を読み出したら止まらなくなり、最後まで読了。この本は3度目だ。これは英文が収録されているのでソボルさんにあげるつもり。
バシュカ郊外
聖ルキア教会
聖堂のみが残っている
港町クルック
城壁
釣り人
窓の修理をする尼僧
帰りのバスの車窓から。リエカ近くの別の港町。
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