0517 ギョレメ屋外博物館

イスタンブールで既に宿を予約していたため昨日はギョレメからユルギュップという町に夕方移動して宿泊した。ギョレメ屋外博物館を昨日は見れなかった(一昨日に夕方散歩で外からみただけ)ので、朝ネヴシェヒルという拠点の大きな町に行き、その夜の夜行バスの切符を購入、荷物を預け、再びギョレメへバスで(30分ほど)移動。そのユルギャップの宿は値段のわりにひどかったので、こんなことならギョレメに2泊すればよかったのだが。
ここではほとんど触れていないがそういうことは旅にはつきものとはいえ、結構疲れるものだ。

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ユルギュップの町

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ギョレメ屋外博物館はギョレメにある岩窟教会が集中している場所にある、オープンエアーのエコロジカルミュージアムである。ここはカッパドキア観光のハイライトの一つなのであろう、また日曜日というせいもあり大変な人が訪れていた。日本からの団体観光客を3組も見た。これまでトルコで見かけたアジア人の団体は圧倒的に中国でその次が韓国であった。カッパドキアは日本では人気があるのだろう。

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ギョレメ博物館を出てすぐのところにあるトカル・キリセの教会。10世紀後半

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ギョレメ屋外博物館を見ている途中、妻が教会と間違えて入った場所は管理事務所のようなところであった。そこにいた偉そうなおじさんが一人でターキッシュティーをいれていて、お茶に興味のある妻にいろいろ講釈をしてくれた。その人が君らは団体かと聞くのでいや2人で旅していると答えると(その間事務所には部下が何人もやってきてあわただしくなったのだが)トカルキリセの所でサリというやつが君らを待っている。彼が君たちをスペシャルな場所に連れて行ってくれるから行きなさいといってメモを渡してくれた。彼のサインとsaliという名前と20リラと書いてあった。一応サンキュウといってもらって別れたが、これは善意なのか、営業なのか理解に苦しむ所だ。もちろんこれまでの旅の過程でトルコ人は押し並べて親切で人が良く、治安もよいということは分かっているが、当然そこは観光客相手の部分もあり、営業なのか本意なのかそのトルコ的ごちゃ混ぜなのか、まだそこのところの見分けがつかないのだ。(多分ずっとつかないような気がする)
トカルキリセを出たころには我々はそのことを忘れかけていた。すると地味な無精髭のおじさんがやって来て君らをドライブに連れて行きたいがと行って来た。メモを見せてあなたはサリさんかと問うとそうだという。少し迷った末、どうせその日は夜行バスだし、時間はあるし、予定もなかったのでサリさんのオンボロ自動車でドライブに連れていってもらうことにした。行ったのは3カ所であったがガイドブックに載っていない場所で、アシュクバディシとペリバカラルバディシ、アヴァロンの丘の三カ所である。2時間程。最後アヴァロンでは絨毯工場に連れて行かれた。
ここでイソさんという人が出て来て流暢な日本語で解説をはじめた。実は我々は2人とも絨毯好きなのでまずいと思ったのだが、織りの現場から繭から糸の取り出し、染色と丁寧に見せてくれるし、こちらも興味ありありなものだから真剣に聞いてしまう。問題はさっきのことと同じで私たちは現時点で買う気がないということなのだった。そこで途中でイソさんに悪いが私たちは長旅の途中なのでそんな買い物なんかできない、説明してくれるあなたに悪いからというと、イソさんは泣きそうな顔をしながら私は久しぶりに日本語がしゃべれるだけで嬉しいんだ、買わなくてももちろんかまわない。ぜひ最後まで紹介させてくれという。素直に信じた訳ではないが、成り行き上しょうがないのでそうすることに。最後は畳三十畳くらいの部屋に我々をソファにこしかけさせ、イソさんは次々に床に絨毯を部下に広げさせて説明して行く。何十枚も。話しながら興奮している。これは凄いと思うものが確かにあった。(結局は買えないのだけど)イソさんとは握手をして別れた。
後で思ったのは私が絨毯を好きになった原因は少なくとも二つある。一つは小学校3〜4年の頃我が家に新しい絨毯が来た時の母が幸せそうだった記憶。もう一つはコッポラの映画ゴッドファーザーパート2だ。デニーロ扮する若き日のコルレオーネが友人から子供の誕生祝いに絨毯をあげると言われ、いそいそと彼のあとについて行って結局絨毯泥棒の片棒を担がされるというユーモラスなシークエンスがある。またここで絨毯は新しく生まれた命、ファミリーを包むとても重要なメタファーとして表されている。このシークエンスは無声映画のように言葉がほとんどなく映像だけで描かれていて、コッポラの全ての映画の中でも最も冴えきった映像だったと記憶している。(撮影はゴードン・ウィリス!)それに単純な僕は影響されて結婚した時とか子供が生まれた時に絨毯を買ったのだった。(もちろん高級品ではありませんが)

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夜行バスでアンタルヤに向かう。

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