0722 国立博物館、自然のwritingを楽しむ

こうなってくると毎日は苦行僧のようである。どんなに疲れていてもホテル住まいなので朝はしっかり起こされる。ホテルの朝食をしっかり食べ頭と身体をとにかく叩き起こす。そしてまた街に出て行くのである。
今日も本当にハードな一日であった。(途中眼鏡紛失事件もあったが無事解決。)

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今日は国立博物館がメインでまずここでじっくり過ごす。ここでは人工物ではなく自然の記述を楽しむ。(人類の足跡展という特別展もやっていた)

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人類の足跡展。企画はおもしろい、がディレクションが...。

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骨のサイコロ?

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自然の記述
僕がこのようなものに強い興味を持つようになったのはもう10年以上前に遡るが、勝井先生の視覚伝達デザイン論を6年間通しで聴講したことによると思う。この授業では何度も目から鱗が落とされたが何よりも、デザインを行う前の世界に対する態度とその構造を理解するための先生の好奇心の強烈さに影響を受けたと思う。どうデザインするかの前に対象は何かを自然科学的に知る事の大切さといってもよい(「土の記憶」などはその中の一つだ)。その後僕がその授業を引き継いだ(先生に比べれば情けないくらいへなちょこだが)のだが、今回の旅はそのまんま授業で思考したことの現物確認の旅ともなっている。
その先生からさっき「旺盛な知的好奇心と行動力に感心しています」というコメントをいただいた。恐れ多い事だ。

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その後、カレル庭園を通り、国立美術館に向かったのだが途中でプラハ城riding-schoolというところでビーダーマイヤーbiedermeier art and culture in the bohemian lands 1814-1848という興味深い展覧会に出くわす。躊躇せずに入る。大変素晴らしい展覧会であった。写真不可なのでイメージはないが。19世紀前半のこの中央ヨーロッパの豊かさがよく分かる。ウイーンのゼツェッション(オットー・ワグナーやヴァン・デ・ヴェルデ)など、そしてもちろんドイツ工作連盟もビーダーマイヤーの歴史的バックボーンの上に成立していることがよくわかる展覧会であった。装飾的だが過多ではなく、構造的で今日的とすら言える。日本で言えば元禄時代か。日本のデザイン史は通史がまともにないが、同様であろうと思う。つまり日本のグラフィックデザインが今日豊かさを持っているのは江戸の歴史の厚みがあるからだ。

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カレル公園

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ビーダーマイヤー展

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本当はこれだけで疲労困憊だったがどうしてもデューラーの大作を見ずには済むまいと思い無理を押して国立美術館へ。ここも写真不可なのでイメージはない。
その後昨日書いたクレメンティヌムのカテドラルで7時からコンサートを聴く。7人編成のチェンバロオーケストラであった。モーツァルト、アルビノーニ、バッハ、ヴィヴァルディ、スメタナ、チャイコフスキー、ドボルザークの曲が演奏された。7時から約2時間程か。プラハに来たんだからドボルザークが聴きたいと妻に言っていたのだが、はからずも実現し感動。疲れていたので眠るかと思っていたが全然平気だった。アルビノーニのアダージョでは思わず泣きそうになった。ウイーンのヨハンシュトラウスといい音楽もヴィジュアル作品同様それが生み出された場所で聴くというのは良いものだとしみじみ思いました。

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一日の終わりに虹が。




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コメント(2)

寺さん
ヴァイマル共和国憲法制定議会1919〜1933
バウハウスとの幸福な結婚、戦後とともに歴史の新しい時代が始まったのだと説いた
グロピウスの姿で、数年前が彷彿と思い出されました。

勝井先生。ワイマールの街は想像と全然違って小さな街なので驚きました。日本なら萩に似てるなあと思いました。(根拠なく変な比喩ですいません)こういったことはやはり本で知る情報とは違った意味、面白さがあるなあと思いました。同様にブログでも書きましたがバウハウスミュージアムのイッテンの絵が特別良かったです。
その後ニュールンベルクを経て今ミュンヘンにいます。ニュールンベルクではデューラーハウス、国立ゲルマン博物館、交通博物館、ミュンヘンでは今日ドイツ博物館と見ましたがかなり圧倒されました。どの博物館もディレクターの魂がこもり、デザイナーがちゃんと仕事をしていて素晴らしく鳥肌がたちました。同時に日本でもこうあるべきなのにと少しくやしく思いました。くわしくはブログに書くつもりですがクロアチアに戻ってからになりそうです。
今晩、卒業生のゴンちゃん、藤波、岡田(ニューヨーク大学院)たちと会い、ビールを飲みました。
もう今回の旅も終盤でへろへろになってきています。

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