この日は夕方ニュルベルクからミュンヘンに移動する予定である。
昼間は博物館(museum)三昧の一日となった。最初に訪れたのはDB博物館(ドイツ鉄道博物館)である。ここは偶然、宿泊した宿の隣にあった。初めての訪問である。子供が小さかった頃、とにかく鉄道や乗り物博物館と名前がつくものは日本では随分見たものだった。しかし僕はいわゆる鉄道ファンではないし、この博物館に関する予備知識も全くなく「まあ、時間があるから行ってみるか。近いし。」ぐらいの気持ちであった。しかし行ってみて実際驚かされるはめになった。まずその規模の大きさ、収集している物の多様さである。これまでにも何度か触れてきたが物の収集、整理、復元、模型に対するドイツ人の執念は生半可なものではないが、ここではそれが徹底的に実行されていて凄みがある。さらに私を驚かせたのはその展示デザインのレベルの高さであった。物そのものに加えて空間も照明もグラフィックも映像もインタラクションによるインストラクション(説明)も私がこれまでみてきたmuseumではベストであった。実際見ながら鳥肌がたった。こういう経験は僕の場合(こことは違った観点だが)パリの「自然史博物館」以外にはなかったことだ。(大英博物館もスペシャルな場所だが総合的な展示デザインという意味においてはそこまでいかない)そういえば旅行前に日本でも新しい鉄道博物館がオープンし人気だというニュースを聞いた事を思い出した。その関係者は恐らくここを視察したに違いないので今度帰国したら行って比べてみたいと思う。博物館にはその国の文化とデザインに対する見識のレベルがはっきり現れるので。
ここで感動したのはさらに二つある。博物館を作る上でのコンセプトについてなのだが、鉄道を社会の中のメディアだと位置づけ徹底している点にある。鉄道を紹介するためのその外部環境、例えば産業、通信、文化などの説明が鉄道と同等に徹底されている点である。つまりそのことによって単なる趣味の人やオタクのみが楽しめる場所を大きく超えているのだ。
さらにここを訪れる様々な年齢、子供はもちろんだがあらゆる関心層に対する目配りの繊細さである。
次に行ったのはゲルマン国立博物館である。ここは25年前に訪れその収集料の膨大さ分野の広さに驚いた所である。内容について書き出すときりがないので省略するがここも素晴らしい博物館であった。
後で辞書で調べるとここは大きくは「運輸博物館ニュルンベルク」でありその中に「ドイツ鉄道博物館」と「コミュニケーション博物館 電話と通信」があるのだった。通信系が充実している理由がこれでわかった。しかし来場者からみると全く一つの博物館に見える。
輪切りの車両。見学者は装置を触りながら蒸気機関の仕組みがわかるようになっている。
ワークショップスペース
ここから通信の展示。歴代の全ての電話のタイプをその仕組みとともに見る事ができる。
特別展は「エルビスインジャーマニー」唐突だが鉄道とからめた展示だった。
以下、ゲルマン国立博物館。あまりにも膨大かつ多岐にわたるので画像は適当にピックアップした。
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