0730 ニュルンベルク

この街は25年ぶりの再訪となる。大学院生の時、当時版画研究室の助手をされていた小沼さんにデューラーの「メランコリア」の銅版復刻を見せられて「これはニュルンベルクのデューラーハウスに行けば買う事ができるよ」と聞いたのがきっかけだった。それは精密で完璧な復刻だったので絶対欲しいと思いそれだけの為にニュルンベルクに来たものだった。
その時はただその絵に魅せられただけでデューラーがどのような人なのかもよくわからなかった。しかしその後視覚芸術を考える上でデューラーは僕にとって最も重要な人物の一人となったのだ。(「ネーデルランド旅日記」が翻訳されている)そのような意味で若い時の訳も分からず直感的にシビレル感覚というのは貴重だと思う。
またその時訪れたニュルンベルクの街もとても興味深いものであった。ここはナチスの党大会があったり、戦争中はドレスデンと同様にかなり徹底的に破壊された所で戦後はニュルンベルク裁判が行われた所である。東側に属したドレスデンと異なりこの街は戦後いち早く復興し以前の街並を取り戻したところだ。当時はそのことに感心しつつもかなり違和感を持った記憶がある。当時僕が坂口安吾の「日本文化私観」に強い影響を受けていた所為だと思うが何の迷いもなく過去を徹底的に取り戻そうとするドイツ人の気持ちがよく理解できなかったのだった。
その事に関してまた考えた事もあるが長くなるので省略。
ともあれニュルンベルクの街は地下街が出来ていたり、ショッピングセンターがあったりとかつてとはやはり変わってはいるが古い街並はそのままだった。ほとんど忘れていた記憶が歩きながら蘇ってくるのは面白い経験だった。

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ペグニッツ川


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フラウエン教会


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以下フェンボーハウス(市立博物館)。ここにはニュルンベルク市の歴史が展示されている。


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1900年代の歴史も写真でたどる事ができる。


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模型好きのドイツ人の例に漏れずここにも大量の復元模型があったが、これは戦後すぐの破壊された町の復元模型。


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カイザーブルク(城)から見た街並


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カイザーブルク(城)


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城内の建物


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デューラーハウスの前で


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以下デューラーハウス(博物館)。


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おそらく営業用に制作したステンドグラス。あの有名な自画像(ツェッペリンのジミーペイジ似の)も肖像画の営業のために制作したものらしい。


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デューラーハウスの後、おもちゃ博物館を訪ねる。ここもかつて訪ねたところ。おもちゃ博物館といって馬鹿にできない。何でも徹底的に集め分類し見せる事の好きなドイツ人だから相当なレベルの展示である。写真不可なので館内のイメージはなくこれらは建物外の中庭。


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おもちゃ博物館正面。


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同中庭。


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ブリューゲルの絵にある遊びの分析。


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ペグニッツ川


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デューラーの「黙示録」復刻版


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