0901 Leonardo's Last Supper by Peter Greenaway に出会う

とにかく私たちのような旅行者にとって日曜日と月曜日をその旅程の中にどのように入れるかが大変重要なポイントとなる。

言うまでもなく月曜日はどの美術館も休みとなるからであるし、日曜日はお店が休みだったり、早く閉まったりするので要注意なのだ。

昨日のダ・ヴィンチ記念博物館閉館ショックが癒えないまま、今日は月曜日なので私たちは街歩きをするしかない。トラムでガッレリアに行きここのインフォメーションでいくつかのことを確認。

オペラではないが本日スカラ座である公演のチケットが手に入るかもしれないと期待して切符売り場に行くも今日はこの秋シーズンの初日とあって満席。やっぱり駄目だった。

どうも時期が悪いのか全てにわたってタイミングが悪すぎる。


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ガッレリア


気を取り直しつつ、とりあえず最初の予定地ドゥオーモへ向かう。これはゴシック建築の傑作である。恐らく長い時間をかけて修復をしたのだろう、大体どこにでもあるようなゴシック建築独特の黒ずみがきれいに取り去られている。元の大理石の色が戻り輝かしいまでに白い建造物に生まれ変わっていた。エレベーターで屋上に行けるのだがこれは結構スペシャルな視覚体験ができる。


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以下ドゥオーモ


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地下宝物庫


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屋上の手前


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屋上


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ドゥオーモ、正面ディテール


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その後トラムを何本かはしごし、街を散策。結構暑い。


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王宮

ガッレリアのそばで遅めの昼食をとり唯一開いているギャラリーのある王宮へ行く。

ここは特別展が行われていて最初、最後の晩餐に関する映像が上映されていると聞いても全然期待していなかった。

すると何とその展示はピーター・グリーナウェイによる映像インスタレーションだったのである。

王宮はこの街のかつての統治者ヴィスコンティ家の館で大変広大である。

そのインスタレーションとは王宮の中の大きな部屋に立体的にサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の「最後の晩餐」の部屋が原寸で再現され、空間の中央に最後の晩餐のテーブルが原寸で(立体的に、多分石膏で)再現されている。(そのディテールとサイズがなかなか興味深いのだが)観客はこのテーブルのまわりに立って見ることになる。映像は主に最後の晩餐の画面部分とその反対側壁面に投影され、部屋のライティングが映像とシンクロして変化する。約30分弱の上映である。

これが大変に素晴らしく驚いた。一つは高精細のダヴィンチの最後の晩餐が完全に3次元化され、そこ(最後の晩餐の画面上の空間)で自在に様々な光が変化するのだ。例えば昼間からだんだん夜に変わっていくように。またその光が画面こちら側の現実空間にも同時に投影される仕掛けだ。

そして同時に反対側の壁には(最初はダ・ヴィンチのその他の絵も投影されるのだが特筆されるべきは)最後の晩餐をマクロ撮影した高解像度画像が流れるのである。絶対肉眼では見ることのできないディテールが画面を舐めるように見れるのである。(よくこんな撮影を許可したものだ)

音楽はいつもグリーナウェイとコンビを組んでいるマイケル・ナイマンではなかったがとても良かった。


見終わった後は少し呆然とする。グリーナウェイらしい灰汁の強さと実験的な遊び心が横溢している。

このインスタレーションを経験するために今回のミラノ旅行はあったのかもしれないと少し思った。


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インスタレーションパンフレット


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昨日のレオナルド博物館休館ショックを引きずり、このような本を購入。


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