1018 ベルリン芸術大学、カイザー・ヴィルムヘルムなど Universität der Künste Berlin

今日の主な目的はベルリン芸大の大学院、サウンド・スタディーズSound Studiesを訪ねることであった。
午後まで時間があったので、カイザー・ヴィルヘルム教会を訪ねた後、のんびりと6月17日通りと博物館島のふたつの蚤の市をはしごする。

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宿の近くのカイザー・ヴィルムヘルム教会。
これは大戦中の悲惨な記憶を残すため破壊された旧教会と新しい教会がふたつ並んで建っている。

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新教会内部。合唱団のリハーサルが行われていたのでしばしの間楽しむ。

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森田さんの作品
ベルリン芸大の修士課程、サウンド・スタディーズは9月5日にリンツのアルス・エレクトロニカで(http://www.esporre.net/terayama/2008/09/0905linz-ars-electronica-longe.php)知り合ったベルリン在住のアーティスト森田さんが、昨年度(この夏)修了したところである。彼の作品は音を耳ではなく骨で触覚的に聞くというユニークなアプローチで大変興味深いものであった。
彼がこの日は大学の新学期でオリエンテーション・ワークショップがあり、各授業の様子が分かりますから来ませんかと誘ってくれたのであった。ちなみに森田さんは学部、院と日本の大学で彫刻を学び、ドイツで活動した後この出来たばかりの院に興味を持ち入学したという。このコースは10年の準備期間を経て森田さんが第一期の修了生なのでできたばかりである。
彼はこのコースをサウンド・コミュニケーション・デザインと言っていた。

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校舎。ベルリン芸大は沢山のコースに分かれているので校舎もベルリン市内のあちこちに点在しているという。
サウンド・スタディーズについての詳しい説明は長くなるので省略するが、学生数25名から30名。旧来の音楽学部とは全く異なるコンセプトで出発したという。専任は4名、サウンド人類生態学(基礎言語学的)、コーポレート・サウンド(アドバタイジング的)、実験的メディア・サウンド(コンピュータサウンド的)、空間サウンド・デザイン(建築、環境的)といった大まかに4つのコースに分かれている。今日は全体説明と前学期の特別プログラムの発表会の後、それぞれの教授たちが自分のコースの考え方を説明しながらのワークショップを行った。
僕は実験的メディア・サウンドとサウンド人類生態学のワークショップを見学した。

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最初にオリエンテーションの後、昨年度の特別プロジェクトの発表会が行われた。
これは環境サウンドの学生たちの作品。

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実験的メディア・サウンドのワークショップ。この日は学生の他卒業生、興味のある人(入学希望者など)の見学も自由であった。このコースの先生はあのクラフトワークのカール・バルトスである。僕はさほどテクノにのめり込みはしなかったが、やはり僕らの世代にとってクラフトワークの名前は絶大、特別なものがある。(ちなみにクラフトワークに関しては松岡さんの以下に詳しいので興味ある方はどうぞhttp://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0965.html)

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その場で集めた言葉をサンプリングするカール・バルトス。

この他コーポレート・サウンドはメタデザインという会社を率いるヴェスタマン(ヨーロッパの主な企業のサウンドロゴを手がけている)など企業との現実対応もしっかり押さえた上で、しかしサウンド・コミュニケーションの根本は音経験をどのように言語化するかにあるとして、かなり年若いサウンド人類生態学のシュルツェ教授(哲学出身)が学科長として全体のバランスをとっているようであった。
授業の進め方、考え方が私たちのライティング・スペース・デザインと驚く程似ていたりして興味深く、思う所沢山ありました。
最後にシュルツェ教授に挨拶をして辞した。

その後森田さんと串焼き屋でお酒を飲みながらいろいろ突っ込んだ話を聞けた。
森田さんはリンツ以降、すでに次の展覧会の予定もいくつかあるようだ。
また彼の触覚サウンドの仕組みは大変ユニークなのでいくつかの企業も注目しているようであった。
これからの活躍が楽しみな人だ。日本に来たらムサビに来てもらいたいと思う。

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