1216 ツォルフェライン炭鉱跡、レッドドットデザインミュージアムZollverein,Reddot design museum

鈴木さんの車でmaiさんと海君も一緒にデュッセルドルフから高速を飛ばして3〜40分にあるエッセンに向かう(初めてアウトバーンを走りました)。ここは戦前からドイツの重工業を担ったルール地方の中心都市である。重工業?に何の関係があるのと思われるかもしれないが、ここにはツォルフェライン炭鉱跡があってそこが今回の目的地である。
ここのことは以前大学の研究紀要の編集をしていた時、査読した論文にここを始めとするドイツにおける近代産業の保存活動について書かれたものがあって、その時以来関心を持っていた。その論文自体はレポート程度でさほどのものではなかったが、実態を自分の目で確かめたく来てみた。
ここは1930年代に当時最先端のモダニズムスタイルで建てられたもので建築的な価値があるとともに、街と言っても良いくらい広大な敷地にある炭鉱全体を産業遺産として保存しようとしているところである。これは新しいエコロジーミュージアムの一つの展開でもある(ユネスコの世界遺産にも登録されている)。日本でもこのような場所がたくさんあるがほとんど顧みられる事なく壊されているのが現状である。こういった姿勢と過去の遺物に対する考え方は残念ながらドイツのほうがはるかに進んでいると思われる。
修復した建物の一部は現代美術の展示やデザインミュージアム、子供たちの遊戯施設などとして使用されている。
今回訪ねたレッドドット・デザイン・ミュージアムはノーマン・フォスターが手がけたものである。

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27年前に作った修士制作の(dead tech)風景が現物として存在しているようで、感慨深くひとり静かに興奮していた。
近代の廃墟には(あるいはあらかじめ廃墟である近代において)局所的な物語と想像力が必要と考えた、あの頃から僕らは確かにポストモダンを生きて来たのだと実感。生きている間は気がつかないのだが過去がパースペクティブになってやっと確認できることもあるのだなあと独り言。

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リシツキーのフォトモンタージュ「雲への階梯」を思い出す。

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レッドドット・デザインミュージアム
ノーマン・フォスターのデザインに関しては手放しでは褒められらない。また展示内容に関してもかなり問題を感じた。今回はレッドドット・デザインコンペティションの受賞作が膨大に並べられていた。有象無象であるので一概には言えないが、全体としては産業振興目的の展示であった。アプローチがちょっと古い(モダニズム?)というか、頑固なドイツ人らしいと言うべきか...。形にならないデザインに対してどう考えているのだろうとか思う所あるけれども省略。

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工場跡地は面白いけど、ノイズが大きすぎて展示には不向きで、そこはあまり解決されていない。

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夜は皆でドイツ名物のビアホールへ。
伝統的なドイツ料理と共に自家醸造のビールを楽しみました。
このお店には1811年にナポレオンも訪れたということで肖像が飾ってあった。

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