1219 マチルダの丘とグーテンベルクミュージアム Mathildenhöhe, Gutenberg Museum

朝、早めに宿を出て電車でダルムシュタットへ向かう。約40分ほど。小雨まじりでかなり寒い。

ここダルムシュタットの工科大学でエル・リシツキーは建築を学んでいる。

彼はサンクトペテルブルクの芸術大学を受験したがユダヤ人という理由で入学できず、ここダルムシュタットに留学したのだった。1909年頃である。彼はここで建築家のヨーゼフ・マリア・オルブリヒに学ぶことになる。

ダルムシュタットの街の中心にある工科大学をさらに丘の方に昇ると、19世紀末から20世紀初頭にダルムシュタット大公ルードウィヒが、ドイツ各地から芸術家を招聘し作った芸術家村がある。それらの中心にいたのがオルブリヒである。この丘の中心はルードウィヒの結婚を記念して作られた結婚記念塔であり、その横に芸術家コロニー美術館がある。周辺にはロシア建築家ベノイの造ったロシア教会、オルブリヒの自邸や彼が設計した住宅、ペーター・ベーレンスによるベーレンスハウスなど、ドイツにおけるアール・ヌーボー様式=ユーゲント・シュティール建築の見本市のような場所である。

リシツキーはここで多感な学生時代を過ごしている。彼は学生時代、電車と自転車で遠くパリにまでエッフェル塔を見にいっており、既に卒業のころはオルビリヒの影響を脱してベーレンスによるユーゲント・シュティール後、つまりモダニズムの影響を受けていたようである。結局1914年に勃発した第一次大戦の混乱の中ロシアに戻る事になるのだが...。

結婚記念塔横の美術館では「ロシア1900」という展覧会が行われていた。図録が大部だったのでDVDを購入した。

本当はダルムシュタットとマインツを一日ずつ訪問しようと考えていたのだが、いつもの「月曜日問題」にぶつかる為、一日で二つの街に行く強行軍となった。



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マチルダの丘


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ロシア教会


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結婚記念塔


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塔上からの眺め。


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我々が訪ねた時ちょうど結婚式が行われていた。


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今回の旅は何故かカメレオンに縁があるようだ。


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オルブリヒハウス


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ハウス・ダイタース(オルブリヒ)

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グリュッケルトハウス(オルブリヒ)

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ベーレンスハウス(ベーレンス)


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現在のダルムシュタット工科大学。考えてみればリシツキーがいたのは100年前で、そのあいだに第二次大戦もあり、ここダルムシュタットも相当な戦災にあっているからその当時の面影はもう見えないのかもしれない。しかし、それを求めて彷徨う私だった。


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ダルムシュタットのマチルダの丘の後、電車で40分程のマインツに移動。

マインツはグーテンベルクミュージアムを訪ねることが目的である。まあローロッパに来てここに来ないと何となく落ち着かないので、何と言うか僕にとっての「お伊勢参り」「富士山登頂」のようなものでしょうか。僕は富士山には登った事はありませんが。

美術館は5時に閉まったため2時間では到底充分ではなかったがまあやむを得ない。外に出ると暗くなっていたがクリスマスの市で街は賑わっている。皆が飲んでいる飲み物を頼んだら「ホットワイン」のようなものだった。

かなり歩き回ったのでくたびれた。


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ここは写真撮影ができなかったのでイメージはない。却って良かったかも知れない。写真撮影が可ならば予定を変えて「明日また来る」と言っていたであろう。


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マインツのクリスマス・マーケット。各都市ごとに見ているので私たちはクリスマスマーケット評論家になれそうである。


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