午前中に歩いて近くのグルベキアン美術館へ。ここはアルメニア人の石油王の残したコレクションからできた美術館である。建物はモダニズム・スタイルで近代建築のお手本のような素晴らしい空間と思う。3人のポルトガル人建築家の共同らしい。
ここの建築にまつわる本もあったがポルトガル語だったのでよくわからなかったのは残念。美術館のカフェからの眺めなど周辺環境もとても良い。
コレクションの幅もエジプトからギリシア、イスラム、日本、ヨーロッパ美術と多彩かつ質が高い。さりげなく置かれていたが日本の蒔絵は特に突出して素晴らしい。多分大英博物館のコレクションにも劣らないのではないだろうか。
その後地下鉄と市電を乗り継いで国立古美術館へ。
ここは撮影禁止なので画像はない。ポルトガルを代表する美術館と言われるところだ。
14~19世紀のヨーロッパ美術、インド、中国、日本、アフリカなどかつて関係のあった国々の美術、そしてポルトガルの絵画と彫刻の三本柱で構成されている。
特に工芸品の量は膨大である。
ボッシュの「聖アントニオの誘惑」は特に印象深い。駄作のないボッシュの中でも最高の部類であると思う。
もうひとつは南蛮屏風が凄かった。
狩野派おそるべし、と思った。
桃山文化の最高傑作というのもうなづける。これは昔から画集で何度も見て良いとは思っていた。しかし本物の凄さというのは全く違っていた。これだけでもポルトガルに来た甲斐があったと思う。
夜、バイシャ地区にあるファドハウスに行き、食事をしながら念願のファドを聞く。7時半から結局11時半まで。
以下グルベキアン美術館。
そういえば。ここリスボンで思ったことではないが、ここで今まで記したことがなかったけれど、この旅で日本の伝統工芸美術がいかに素晴らしいかを思い知らされた。これは僕にとってこの旅の本当に特筆すべきことの一つであった。
国立古美術館からテージョ川を見る。
ファドに関するコメントは書き出すと長くなるのでやめます。
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