0205 雨の郵便局。

朝、郵便局で荷物を送る為にマイーダさんが車で迎えに来てくれる。荷物が結構重いし、雨も降っているしで妻も手伝いに行くと言っていたのだがマイーダさんから「あなたは来てはダメ。家で寝てなさい」と言われ結局彼女の言葉に甘える事になった。
クロアチアで郵便を送る場合、完全にパッケージしてはだめで箱を開けられる状態で持って行く。そこで郵便局員が内容をチェックしOKが出てから梱包をし直すのだ。
郵便局員はマイーダさんと顔見知りの人だったらしく、とても良い人だったが、荷物を持って行って作業が終わるまでに2時間もかかった。
たかだか3箱の荷物を送るのに1人の郵便局員がかかり切りで2時間かけるなんて。こんなことで果たしてクロアチアのシステム大丈夫か?と思うが、僕が心配してもはじまらない。
2時間の間、荷物をあっちやこっちやに移動し、検査後指示されたとおりにパッケージし直す作業をやっていると汗がでてきた。まるでジムで運動したみたいねとマイーダさんと苦笑する。
とにかく荷物を無事送り出す事ができたのでホッとした。
帰りに車で「こんな非効率的なシステムで大丈夫かなあ」というとマイーダさんはいつものように済まなさそうに「クロアチアでは毎年の様にルールが変わるの。ごめんなさいね。」と言う。実際値段もネットであらかじめ調べていたのと全く違っていた。
でも実は最近では異常なまでに社会の隅々までサービスが行き渡った今の日本が普通じゃないのだと思うようになりましたけど。
考えようによっては今の(これまでの)日本は天国のような所なのだ。住んでいると気づかないけど。でもその日本システムもこれからは維持していけないかもしれないなあと思う。多分日本人がその為に相応の無理をしているのかもしれないから。

帰りの車でマイーダさんと話した事がもう一つ。
僕がリエカとザグレブで講義をしたことを知ったスプリットの美術大学の先生がマイーダさんに電話して来て、是非スプリットの美術大学に来てくれという依頼があったとのこと。
クロアチアはザグレブ、リエカ、スプリットが人口でも文化的にも3大都市なのだ。
スプリットは9月に訪れたところで、あのディオクレティアヌスの宮殿跡が旧市街になっている所。近くにはサロナ遺跡もあり、僕にとってはかなりお気に入りの町だった。
http://www.esporre.net/terayama/2008/09/0917split.php
http://www.esporre.net/terayama/2008/09/0918salona.php
「そこの美術大学の先生が、ザグレブなんてコンサバティブじゃない。私たちのところはモダーンだから、テラヤマは私たちの所にこそ来るべきよ」と言って来たという。
それを聞いて僕は「ああ、またスプリットに行きたいな」と単純におもったのだったが、
「でもテラヤマさん、奥さんが風邪でそれどころじゃなかったし、もう時間もないからあなたにはわざわざ相談しなかったわ。私からイッツトゥーレイト。ネクストタイムと言っときましたたからね。」と言われた。
「テラヤマさんあなたは今やここではユーメイジンよ。」とおもしろそうに笑っていた。
...僕は一瞬頭に浮かんだスプリット再訪が出来ない事が少し残念であった。


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